
会社プロフィール
製造業精密加工メーカー
課題サマリ
在庫が紙とExcelに分散し、棚卸に3日以上かかる状態。発注判断も属人化して、欠品と過剰在庫が同時期に発生していた。
主要な効果
- −40%現場入力工数
- 3日→半日棚卸日数
- 96%棚卸精度
Before
紙の日報を事務員が翌日Excelに入力。棚卸や工程進捗の集計が追いつかない。
After
現場のタブレットから直接入力し、その日のうちに集計。発注点アラートも自動で通知。
導入前の状況
複数の工場と倉庫で扱う部品点数は約2万点。在庫管理は工場ごとに独自のExcelブックで運用されており、シート数は最大で数百にのぼっていた。現場では紙の日報を手書きし、事務員が翌日にExcelへ入力し直すというフローが常態化していた。
棚卸のたびにExcelブックと紙の記録を突き合わせる必要があり、毎回3日以上を要していた。集計途中で数値の不一致が見つかることも多く、追跡調査で残業が続くのが恒例になっていた。
発注の判断は現場責任者の勘に依存しており、欠品と過剰在庫が同時期に発生することも珍しくなかった。情シスでは以前から刷新を検討していたが、市販パッケージは工場ごとの運用差に合わず、フルスクラッチはコストが見合わない状態が続いていた。
検討背景と選定理由
検討していた選択肢は3つ。市販の在庫管理SaaS、他社のノーコード製品、フルスクラッチ開発だった。SaaSは工場ごとの品目コード体系や検品フローに合わず、カスタマイズには追加料金の見積もりが出ていた。他社ノーコードはユーザー数課金で、全社展開時のコストが線形に増えることが懸念された。
NocodilySuiteを選んだ決め手は3つ。1つ目は認証・データベース・APIといった業務システムの土台が最初から揃っており、現場ヒアリングを踏まえた画面や入力フォームを短期間で構築できる見通しがあったこと。2つ目は利用者数ではなく利用機能ベースの課金で、全社1,000名規模でも予算が読めること。3つ目は基盤の上に必要な部分だけカスタム開発で拡張できるため、独自の検品ロジックにも対応できる余地があったこと。
導入前のPoCでは、実際の現場担当者3名にタブレットで在庫入力を試してもらった。マニュアルなしで操作できる範囲を確認したうえで、本番構築に進む判断をした。
導入プロセス
プロジェクトは全体で4ヶ月。最初の1ヶ月をPoCと要件整理に、2〜3ヶ月目でメイン画面と入出庫ワークフローを構築、4ヶ月目に1工場で先行導入した。もう1工場への横展開はその後1ヶ月で完了している。
現場から出た要望はボタン配置やロケーション表示の順序など細かなものが多かった。基盤側の設定変更で数日単位で反映できたため、要望から反映までのサイクルが早く回った。事務員が入力していた紙の日報は、現場のタブレット入力に置き換えることでダブル入力を廃止した。
発注点アラートは在庫の推移と過去の消費実績から自動で通知される設計にした。現場責任者の勘で行われていた発注判断が、システム上のアラートを起点とした再確認フローに置き換わった。
導入後の変化
棚卸の所要時間が3日から半日に短縮された。ロケーション別の在庫状況がリアルタイムで見えるようになり、事後の突き合わせ作業がほぼ不要になったためだ。棚卸精度も96%に改善している。
事務員のダブル入力が廃止され、現場と本部を合わせて月40%の入力工数削減を達成した。廃止したExcelブックは180ファイル。共有フォルダ上でどれが最新か分からないという問題も同時に解消された。
発注アラートの導入以降、欠品発生件数は前年同期比で60%減少した。過剰在庫による廃棄コストも下がっており、現場からは発注のタイミングで悩まなくなったという声が上がっている。
導入効果 (数値)
担当者からの声
タブレット1台で現場が完結し、事務員の手戻り作業がなくなった。棚卸の日程が読めるようになったのが大きい。— 情報システム部長
発注のタイミングで悩まなくなった。アラートを起点に在庫を確認して判断できるので、担当が誰でも精度が揃う。— 生産管理課 課長
今後の展望
次のステップとして、工程管理システムとのAPI連携を予定している。在庫と工程進捗を横断で見られるようにすることで、生産計画と発注の精度をさらに上げていく方針。将来的にはAIエージェントによる需要予測との連動も検討中。
構成在庫管理 + 入出庫記録 + 発注点アラート + ロケーション管理


